これが自主企画の演奏会を行う原点である。
とはいえ、自分が好きな作曲家を若い音楽家の卵の皆さんが好きとは限らない。
それ故に出演者の目星をつけるのが容易でない。音大生は多忙な日々を送っているのだ。
とにかく相手にされない。音大生はおじさんの絵空事相手に耳を傾けている暇はない。首を傾げられ、大人の対応をされて、お終いなのだ。
「老若男女を問わず音楽家にとって、一番嬉しいと思うのはどんな時か?」ふと疑問に感じた。
それは「ステージ上において、真摯に音楽へ耳を傾けてくれる聴衆からの拍手と喝采を受けること」ではないだろうか。
自分の好きな作曲家の作品を演奏してくれる音楽家を探すのと、真摯に音楽へ耳を傾けて聴いてくださるお客様を探すのでは、どちらが困難であろうか。そこは演奏会を継続していく上で、当面の課題となる。その課題を細分化することによって、漠然としながらも答えが見えてくる。まるで暗夜に望む一灯のあかりを目指して突き進むようなものだ。その一灯から漏れてくる「音色のあかり」だけが頼りなのだ。
足元が暗ければ一歩ずつ地を踏みしめて確認をしながら歩こう。今、踏み出した右足の一歩は、次に踏み出す左足の軸となる。いずれ夜は明ける。しかし好機の影には落とし穴があり、明るければ明るいほど影が濃く出てくる。また見通しが良く、綺麗に舗装された道ほど躓きやすいのは言うまでもない。
不動産の賃貸借契約の更新ではないが、2年毎に演奏会を継続するか、否かを見定めたい。
2016.10.11 のらくぼう 記す